血液の話
2022-06-08
血液の話

「血液」というと液体をイメージしがちですが、血液中の45%は血球という有形の細胞成分で占められています。血球には酸素の運び屋である≪赤血球≫、侵入してきた細菌やウイルスを攻撃する≪白血球≫、外傷などの出血時に集まって出血を防ぐ≪血小板≫などがありま
す。残りの55%が液体成分の≪血漿≫で、これも栄養素を運ぶ大切な役割を担っています。

≪ 赤血球 ≫

●赤血球は核をもたず、中央がくぼんだ円盤状をしています。 この
赤血球成分のほとんどを占めているのがヘモグロビンです。 ヘモ
グロビンは、鉄を含む「ヘム」と、「グロビン」というたんぱく質からで
きていて、酸素と結びつくのは「ヘム」の部分で「ヘム鉄」と呼ばれ、全身に酸
素を行きわたらせる役割をしています。 血液が赤いのはこの「ヘム」が赤色素
をもっているからです。

●赤血球が減少すると、各細胞に充分な酸素が行き渡らなくなり、動悸、息切
れ、めまい、頭痛、けん怠感、などが現れてきます。これが「貧血」です。 貧血の
原因は赤血球の減少による鉄分不足以外に、腎臓や肝臓の機能不全、ガンに
よるもの、などもありますので、症状が続くようでしたら病院で精密検査を受け
ることをおすすめします。


≪ 白血球 ≫

白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスなどに対する免疫機能を
担う血球です。白血球にはいくつも種類があり、それぞれ①細菌な
どの異物が侵入した時、消化・殺菌・溶解させる働き。 ②毒素の中
和やアレルギー反応に関係する働き。 ③マクロファージに変化して
老廃物や異物を処理する働きがあります。そして、よく耳にするリンパ球は免疫
反応に中心的に関与している白血球です。リンパ球にはT細胞、B細胞、ナチュ
ラルキラー(NK)細胞などの種類があり、連携して働きます。


≪ 血小板 ≫

細胞核を持たない円盤型の細胞です。 血管が損傷を受け、穴が
できたときに損傷部分で固まり、穴をふさいで出血を止めるという
重要な役割を担っています。


≪ 血漿 ≫

さまざまな栄養素を含んだ溶液で、栄養成分を体内の各組織へ運び、そこで生
じた老廃物を運び去る働きをします。 また血圧の維持にも役立ちます。